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No.1 三幸機械株式会社

機械加工の現場から

インタビュー 2 マクロプログラミングの開発
お答えいただいた方

代表取締役 石井 庸壬(いしい つねよし)氏
常務取締役 志村 匡巳(しむら まさみ)氏
生産技術部生産技術課係長 山本 雅洋(やまもと まさひろ)氏


石井いしい 庸壬つねよし


志村しむら 匡巳まさみ


山本やまもと 雅洋まさひろ


そうした変化に富んだ加工を受注して常に安定した精度を保ち、なおかつ効率的な生産を図るためには色々な工夫が必要であると思いますが、その辺りの解決策はどのようにされているのでしょうか。

石井社長

現在の工作機械は、マシニングセンターに代表されるように三次元形状の加工を三軸同時コントロールのNC制御でできるようになっていますから、同一加工を繰り返すのであるなら、比較的容易に複雑な形状も処理できます。ただし、少ロット化の環境下では、1台の加工機に多様な形状加工が求められますから、組み替え頻度の著しい状況での作業効率と精度保持が要求されます。また、それに応えられる高度な技術を持つオペレーターやプログラマーがいても、個々のワーク毎の対応が必要ですし、それを個人に依存することは不安定要素が増すことになりますから避けなければなりません。

そこでお考えになったのが変化する状況の中でも常に安定した加工セッティングを叶えられる、というマクロプログラミングですね。開発されたのは、山本さんだとお聞きしましたが、失礼ですが山本さんは随分とお若い方なので驚きました。全て、ご自分でお考えになったんですか。

山本

はい、一応そうですが、人の問題とかワークの変更頻度とか、たとえ現状で十分と思われても、まだ必要とされる改善箇所があるということを知るためには、生産現場との十分なコミュニケーションを取れなければできませんでした。

山本さんの所属される生産技術部が工場に隣接するというか、工場内に設けられた部屋になっているのもそのためですね。肝心のマクロプログラミングについてですが、どのようなメリットがあるんですか。

山本

簡単にいうと、多様な加工に対して、オールマイティーに加工の位置決めを設定するプログラムです。現在の加工形状は三次元のものが多く、マシニングセンターでは種々雑多の加工が容易に行えますが、実際には生産スケジュールにそってワークを変える度にセッティングの微調整で大変な手間暇をかけることにもなります。そこで、そうした問題をマクロプログラミングで解決しました。

簡単に言われますが、これは技術の共有化という点ですごいことですね。完成するまでには色々と苦労されたと思いますが、そもそものきっかけは何だったのでしょうか。

山本

これまでも現場ではプログラミングによる対応はしてきましたが、今回のマクロ発案の取りかかりとなった一番のきっかけは、ワンクランプで多様な加工ができることから使用頻度の高い横型マシニングセンターの存在があります。つまり、ワークを横型マシニングセンターのテーブルにクランプする前段階で生じる誤差を解消するという点です。ワークの形状や重量、材質などの変化に対してオペレーターの経験に依存して位置決めをしている部分がありますが、それでは非効率で、オペレーターの負担が大きかったため、その改善策として取り組んだのです。

いつごろから取り組まれましたか、それは会社からの指示でしたか。

山本

仕事としてではなく、日常業務の傍ら自分だけでコツコツとやっていました。仕事が終わった後や時間が空いている時に作り上げ、1年ぐらいは自分の考えとして温めてきて、ほぼ解決できるまでになった段階で現場サイドの協力を得てプログラムの稼働テストをしました。実業務で成果が得られた後、オークマさんのokumamerit.comの加工技術情報に掲載してみることにしました。そうしたら、オークマさんから公開する前にこれは会社の資産として活かすべきとのアドバイスを受けて、会社に話すことを決心したんです。

いい話ですね。それで会社は直ぐに反応しましたか。

志村常務

もちろんです。それを実用化していくためには、現場との密接な情報交換が必要で、先ほどの話に帰結するわけです。

山本さんのような若い方たちが加工技術の世界に新風を吹き込んでいただけるようになれば、どんどん夢が膨らみますね。

志村常務

いま、製造業の競合先として隣の中国が何かと話題になりますが、コスト競争にだけとらわれているのではなく、将来にわたって日本が誇れるのはこれまで蓄積してきた人的技術力だと思います。

その継承ということが大切なんですね。

石井社長

年齢に関わらず誰もが仕事に誇りを持てるということが、これからの後継者を育てることにつながりますから。

山本さんのアイデアが結実したのは、三幸機械さんの社風みたいなところが下支えになっているのでしょうね。ところで、OSPはどうでしょうか、使いやすいですか。

山本

OSPには、使う側の立場にたった感覚的な操作性と高い汎用性が備わっています。個人的な理由ですが、大学でBASIC言語でのプログラミングをやってきましたので、それに近いOSPフォーマットにもすぐになじめました。そもそもOSPがなければ、このマクロプログラミングの完成もなかったと思います。余談ですが、マシニングセンターを制御しているOSP以外にもプログラム入力のできる電卓にマクロプログラミングを入れ、現場を離れていても計算値が出せるようにしています。

最後に一つだけお聞きしたいのですが、この次も何かを考えていらっしゃいますか。

山本

そうですね、いま考えているのは、門型マシニングセンターにアタッチメントを取り付けての長モノのワーク加工で、複合的な段取り加工を不定期な組み替えの状態においても行うことのできるようなパラメーターの設定制御ができたらと考えています。

次のアイデアも実現するといいですね。それにしても三幸機械さんは魅力いっぱいの企業ということがひしひしと感じられます。

石井社長

いい人が集まれば、いいアイデアが生まれます。それを形にする工作機械やシステムベースはオークマさんが提供してくれますから。

それらを結びつけるのはやはり石井社長さんの先見性ある経営指針による設備計画ですね。そして、たまたま今日はお留守でした専務さんやここにおられる志村常務さんのような経験ある方々のしっかりとした生産管理体制によるお客様からの高い信頼と評価。さらに、山本さんのような若い技術者の方がのびのびとアイデアを考え実用化できる体質が備わっているということ。三幸機械さんにはモノ造りの魅力がいっぱい詰まっている、そんな気がしてきます。これからも、ロケットや半導体など、明日に向けて夢のある部品加工をどんどんやっていってください。今日はありがとうございました。