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ユーザー訪問:No.12 株式会社布施製作所

No.12 株式会社布施製作所

機械加工の現場から

始めて世に出したのは「トガン・アペックス」だった

パターとは、ご存じのようにホールに正確にボールを入れるためのクラブの一つである。いうなれば、ホールアウトでの仕上げのための重要なゴルフ道具ともいえる。それだけに、プロをはじめゴルフ愛好家はパターにこだわると言われている。

この企画の訪問先としている精密加工業とパター、一見してその関連を想像しがたいが、実は大いに関わりがある。それを説明するためには、まず小田氏とパターとの接点に遡らなければならない。いまから15年前、ちょうど昭和から平成へと改元された頃のことである。

小田武彦は、かつて勤務した住友精密での経験を活かし、現在の地(東大阪)でジグなどの加工を行っていた。そんなおり、たまたま知人からある会社がゴルフパターの加工を望んでいるとの話を受け、試作品のつもりで加工したものを納めたところ、その精巧な作りに仰天した先方から正式受注が舞い込んできた。それが、「トガン・アペックス」、往年の名プレーヤーの名を受け継ぐベン・ホーガン社より発売になった日本初の削り出しパターだった。これが、小田にとって大きなターニングポイントとなった。

それまでゴルフとはまったく縁のない、ジグ製作を得意とした技術者だった小田は、パターの削り出しでその技術力を高く評価されたのを契機に、ゴルフパターという新しい分野に目覚めたのである。

「ゴルフパターを削る、ここに自分が蓄積してきた技を集中させる」

小田は意を決した。

以来、小田はゴルフパターの削り出しを専門に手掛けることになった。その一つ一つは、従来にない精巧な完成度であり、かつNC制御によって削り出す誤差のない均一さが、これまでのパターに対する評価を一変させた。

かつてこれほどのゴルフパターが存在しただろうか、「トガン・アペックス」が登場したとき、多くのメーカーが小田の技術に感嘆した。ゴルフパターとは、 本来はこうあるべきだ、まさに小田の作ったパターは、そう黙して語っていた。