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ユーザー訪問:No.16 株式会社 和田製作所

No.16 株式会社 和田製作所

機械加工の現場から

4.乱気流の時代
【対応力でなく先行力】

戦後の高度成長によって新たな基盤を確立してきた航空機業界だが、先述してきたような事情からすでに淘汰の波が押し寄せて久しい。

空を飛ぶ世界だから、波というよりは乱気流というべきかもしれない。現に国内で継続している航空機向け治工具メーカーの多くは乱気流に巻き込まれている。現存する数は、大手系列や部門事業を除けば10社程度までに限られてくるようだ。

このような厳しい環境下にあって存続し、かつ健闘を続けるWADAには、何か特別な秘策でもあるのだろうか。ここは誰もが知りたいところである。

典之社長の答えは、あっけなくも淡々としたものだった。

それは、さらなる合理化を求め、CAD/CAMによる自動化を進めることだという。つまり、特定の技術者によって持ち得た技術に頼るのではなく、データー化することで技術をいつでも引き出して使えるように共有化することが重要なのだそうだ。

また、安定飛行を続けるには、4年に一度の繁忙期を確実にこなせる能力を備えたうえで、休閑期との落差を平滑化するための工夫も必要だという。もちろん、既存の受注先を最優先としながらも、新規開拓を行うことで仕事の途切れを減らす努力が要るとしている。つまり、対応力でなく先行力が求められているというわけだ。


【時流の本質】

典之社長は、長年にわたって携わってきた「三菱重工業〜ボーイング社」のラインだけに依存するのではなく、新たな顧客開拓も視野に入れている。そのため、ヨーロッパへ出かけてエアバス社の様子も見てきたという。そこで分かったことは、エアバス社の仕事をしてきた関係会社の多くが、ボーイング社の仕事に関心を抱いているということだった。

二大航空機メーカーにより市場シェアが二分されている状況で、業界各社は生き残りを掛けたアプローチを余儀なくされているのである。それが、顕著なのはアジア各国の現場サイドを見ることで分かる。いずこも生き残りを掛けて試行錯誤を繰り返している。答えを見つけるためには、みんなおしなべてドライで、ひとところに留まることはなく、フロンティア精神が溢れんばかりだ。これが時流の本質と言えるのかもしれない。

一方、WADAでは、航空機で培ってきた高度技術を活かせる場として、自動車などの他業界への進出も視野に入れて模索している。また、部品メーカーが型や治具に領域を広げていることに対して、逆に部品の領域に参入することも考えられるとしている。

もう、かつてのように義理だけで仕事が回る時代ではない。高いクォリティーと果てしないコストダウンへの解答を求める挑戦、これが現在の乱気流から脱出して、無事に市場社会へランディングするための唯一の選択肢なのかもしれない。