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ユーザー訪問:No.16 株式会社 和田製作所

No.16 株式会社 和田製作所

機械加工の現場から

6.人と機械と場所と時と
【標準化のためのデジタルワーク】

現在、WADAのなかで、目を引くのはこの大型のマシニングセンタの他に、徹底したネットワークが構築されている点である。CADによる設計から加工までを徹底したデーター管理により、技術の共有化、標準化が図られている。むろん、このネットの端は、得意先とも直結している。航空宇宙技術の膨大なデーターをリアルタイムで瞬時にしてやりとりする。無駄がなく、システムは自前でセキュリティも万全だ。

CAD設計に当てられた部屋に入ると、そこに居並ぶコンピューターディスプレイ、そして画面に映る図面を真剣な眼差しで見入るオペレーターたちはみな若い、しかもほとんどが女性だ。この人たちが航空機やロケットに関連する金型や治工具の図面を作っているのだろうか・・・。

「それだけじゃないですよ、本機の部品設計もしています」と、典之社長は言う。

大空を飛ぶ航空機、そして宇宙へ向けて発進するロケットなど、それらの一部をつくる、支える。「航空宇宙のモノづくり」とは、いかにも夢のある仕事だ。その基礎技術を企業資産としながらも、デジタルワークによってさらなる標準化を推進する。例えば、特別な技術力を共有化することで経験の浅いオペレーターでも、航空機関連の難しい設計が作れる、マシニングセンタで加工がこなせる、さらなる高品質を追求しコストパフォーマンスを達成できる。

「航空宇宙産業の一員として、大いなる宇宙と人との共存を目指し、未来への可能性を追求する」それが典之社長の目指すビジョンでもある。


【先端技術に先端的思考】

WADAの姿勢を見るうえで、他にも興味深い取り組みがある。

それは、自社だけでなく広く業界全体のレベルアップという壮大なプランだ。時代に合った人材育成を行うため、平成11年(1999年)5月に設立した「エアロデザインアカデミー」という設計技術者養成のエデュケーションシステムである。ひらたくいえば、企業のCADオペレーター向けのセミナーである。本業のかたわら、まったくPRもすることなく社屋の一室をあけて開講していることもあって、まだ受講実績は2社に留まっているという。

これとは、前後するがこれより遡ること2年前の、平成9年(1997年)10月に、航空機関連の設計から組立までの一貫した製造工程を担える体制づくりを目的として、同業の(株)西村製作所(本社:名古屋市港区、代表者:代表取締役 西村悦映氏)と合弁で設立した「(株)エアロスペースシステムズ」の方は、順調に運営されていて、すでに150名に迫るスタッフが働いている。

こうした、新しい取り組みへの姿勢からは、「与えられた状況だけに留まることなく常に変化に敏となり応える、そしてさらに次の流れを創造していく」という典之社長のポリシーを伺うことができる。

社員の平均年齢35才、「人と、機械と、場所と、時」これらが、一体となって初めて明日を開くモノづくりに欠かせない力を発揮する。これこそが先端技術に携わる企業が備えなければならないものだと典之社長。WADAは、機知と進取の精神に富んだメーカーである。