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ユーザー訪問:No.2 株式会社いしやま

No.2 株式会社いしやま

機械加工の現場から

5.加工の決め手は「30度」

高速回転するボールに対してワークの加工表面は広く、通常なら切削ムラが危惧されるのだが、実際に加工済の表面を測定すると平面度5〜7μm(全域)を達成している。 その秘密の一つには、主軸に装着したボールエンドミルとワーク表面との切削角度があげられる。
角度30度の設定は平面を加工する時のボールエンドミルの切削効率と加工精度の双方を求めて得られた値とのこと。傾斜させて加工すること自体は珍しいことではないが、単純平面を加工するのにフライスを使わずにボールエンドミルを使用することは本来なら誰もが思いもしないことであった。切削効率を考えると馬鹿らしいと考えるのは極めて常識派、そんな常識の意表をついたところに高精度で高品位な面加工のノウハウがあったようである。
ところで、主役のMCR-BII-HPは、特注タイプということで、工場内で稼働する他の門型マシニングセンタと比較してかなり背高い印象を受ける。 しかし、それでも工場の天井にはまだ十分なゆとりがあり、そこに何基もの大型ファンが設置されている。このファンは、温度センサーにより回転が常にコントロールされているようだ。 ファンの目的は工場内部の室温を一定に保つものである。
温度変化に敏感な金属精密加工への徹底した対策など、細かいことかもしれないが、工場内の随所にそうした配慮がなされている。このあたりにも、 石山社長の精密加工現場はかくのごとし、という信念を感じさせられる。そう言えば、茅野市周辺の厳寒期は、気温計のマイナスが二桁台になることも珍しくないと聞かされたが、 工場内のどこへ行っても、安定した温度が保たれ、人にとってもここは別天地の領域であった。



寸感(あとがき)

オークマユーザー訪問は今回で3回目を迎えました。

前回、前々回の訪問も含めて感じられたことは、中国をはじめとする海外からのコスト攻勢にさらされているわが国加工業界にあって、 現場では三者三様の独自性ある加工技術と、それを背景にした自信あふれる経営意欲が漲っているということでした。「技術立国ニッポン」もまだまだ健在です。

この背景には、訪問先のユーザー様が、それぞれの顧客先と濃厚な信頼関係を確立されているという一面もありますが、マザーマシンとなる工作機械の可能性をどこまでも追求され、 そして現在もその進行過程にあるという、加工技術へのあくなきチャレンジの姿勢があるからこそなし得た成果に他ならないと言えるでしょう。

まだ、たった3回のユーザー訪問にすぎませんが、産業界の戦国乱世といわれている今、明日を勝ち抜く企業の姿とは、常に新しい可能性に向けて挑戦し続けていくことではないかという思いを新たにしました。