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ユーザー訪問:No.7 イタテック

No.7 イタテック

機械加工の現場から

4.明日を拓く町工場の「シンギュラリティー」
「大切なのはポジティブな活動姿勢」

今回のオークマユーザ訪問では、東京板橋の松本精機を通じて、共同受注グループ「イタテック」という取り組みをスタートした町工場集団の経緯と現状を紹介した。

加工業という現場から新たな風を起こす取り組みは、この先まだ幾多のハードルが予想され、手探り状態で未来を模索するという一面もあるが、何もしなければ町工場に明日は無いことも間違いない。

イタテックの活動を見て分かることは、常にポジティブな活動姿勢を持ち、実践することが新たな可能性を引き寄せるといえる。

「持てる潜在能力に覚醒し、自信回復を」

アメリカのハドソン研究所は、日本の経済活動に対して興味深いレポートを出している。それによると、今はいささか自信を失っているが、決して敗者にはならない。むしろ、その境遇意識を跳ね返すに十分な技術力と勤勉さを持っており、再びアメリカと並んで世界経済に君臨する時を迎えるだろう、それは、世界中で日本だけが持ち得るシンギュラリティーの力だと言及しているのである。

この言葉を町工場の現状に置き換えたとき、まさに日本の町工場にはシンギュラリティーが備わっていると言えるのではないか、と思われる。なぜなら、イタテックのメンバーである松本精機の鈴木社長が描く町工場のポリシーこそ、それに通じて他ならないからである。

例えば松本精機の場合、現在、国立T大学の教授から依頼を受け、同社が進めている画期的装置の開発があげられる。ただ、残念ながらのその具体像は企業秘密に該当することから、この場で紹介することはできないが、これが完成することによって日本はこれまで以上に実質的な国際貢献を果たすことができると、鈴木社長は胸を張る。まさに、その装置の目的と仕組みを聞くと納得するにたる独創的アイデアを秘めている。これこそが町工場が持ち得るシンギュラリティーである。

ただ、こうした先進的なものを、誰にでも造れるというものではない。長年にわたって築き上げてきた町工場の技術力があればこそできるのである。その技術力とは何か、それは、長い時間を掛けて積み上げた老練な技の集積であり、また同時にそれを継承し、巧みに応用し、かつ時代に即して発展し得る類い希なる潜在能力であるはず、というのが鈴木社長の胸中に違いない。 町工場は、日本の生産力の縮図なのかも知れない。そこから逆を考えると、町工場が元気になれば、日本の産業は国際社会において再生すると言えるのである。


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「共同受注グループによる挑戦は、新たなアライアンスへと進む」

現在、日本の各地で新しい取り組みが芽を吹いていることは事実であり、イタテックでは、産・官ぐるみでそうした地方グループとの連携を模索している。

例えば、人口密度が高く、土地利用に限界がある東京を拠点とするイタテックは、試作品や少ロットの加工製造を得意とする一方、大量に生産するという面ではハンデがある。そこで、長野など地方の共同受注グループと連携することで互いの長所を活用しあうことができるのである。これに「官」が加わるのは、ビジネスとしての互いの信用確保である。

こうした連携の形態は、国内だけに限ったことではない。ビジネスに内外の温度差はなく、国際的連携市場を視野に入れられるときでもあるのだ。

イタテックにおける今後の課題は、受注先からの図面などの大量の資料をグループ全員に敏速かつ慎重確実に受け渡しできるシステムを構築することであるという。これには、グループ全員に対して、フラットでかつセキュリティ性の高い電子システムの導入が検討されている。

より効率的にネットワーク化されたグループ活動は、新たな連携を模索してさらに広がり、近い将来には国際レベルで大きな成果を結ぶことはまず間違いない。

okumamerit.comは、そうした取り組みの先駆けとなって頑張っている町工場やそのグループに対して、熱烈なエールをおくりたい。


松本精機殿で稼働中のMACTURN30